【インタビューNo.03】東南アジアベトナムと南米ボリビアの青年海外協力隊の挑戦ーー山田邦永さん・遠藤暁さん

【インタビューNo.03】東南アジアベトナムと南米ボリビアの青年海外協力隊の挑戦ーー山田邦永さん・遠藤暁さん

はじめまして、山田邦永(やまだくにはる)です。縁あって、国際協力サロンという場で遠藤暁(えんどうさとる)さんと知り合うことができました。遠藤さんは、青年海外協力隊としてボリビアでサッカー指導をしています。

かつて私も、日本で小学生から大学生までを対象にアイスホッケーの指導をした経験があり、また現在は青年海外協力隊としてベトナムの農村部を支援する取り組みをしています。

数々の共通項のある遠藤さんと、ぜひ話してみたい!と思い、私から遠藤さんに声を掛け、今回の企画が実現しました。

現在の活動内容

山田:早速ですが、現在、遠藤さんが青年海外協力隊として取り組んでいる内容を教えてもらえます
か?

現在はボリビアのコチャバンバという街にある「FUTVALLE」というサッカークラブで、コーチとして活動しています。

練習は月・水・金は午前と午後両方あり、火・木は午後だけ。毎週土日は公式戦があります。なので、定休日はありません(笑)

このチームは子どもを U-5、U-7、U-9、U-11、U-13、U-15、15 歳以上と、細かくカテゴリーで分けています。

ぼくが主に担当しているのは U-13。もちろんほかのカテゴリーのトレーニングの様子もみているので、すべての子どもと関わる機会は持てています。ちなみに子どもの数は全部で 300 人くらいですかね。

遠藤:山田さんも協力隊とのことですが、どのようなことに取り組んでいますか?

私はベトナムの農村開発支援 NGO である VIRI (Vietnamese Rural Industries Research and Development) で、マーケティングのサポートをしています。

VIRI は、ベトナム農村部の生計向上を支援するために、現地の農産品を使った加工製品の開発を支援しています。20 年の歴史のある組織で、これまでに、ベトナム 63 省のうち 53 省を支援し、50 製品群を開発してきました。

オフィスは首都ハノイにありますが、私もVIRI スタッフとともに多くの省へ出張し、主にマーケティングの観点から支援しています。

私のアイディアを発端に、多くの方の協力の下、これまでに 2 つの製品を生み出すことができました。

1 つは「ブレンドエッセンシャルオイル」です。

収穫前の 6 ヶ月間、農薬を使用せずに丁寧に育てたオレンジから抽出したオレンジエッセンシャルオイルをベースに、様々なエッセンシャルオイルと特別な配合でブレンドしました。

開発にはベトナムで 40 年以上に渡りエッセンシャルオイルの研究に携わっている方に協力いただきました。

もう1つは葛(くず)の粉を使った「葛クッキー」です。

ベトナム建国の父、ホーチミン氏の故郷であるベトナム北中部ゲアン省で採れた葛粉を使い、同省で生産されています。開発には福島県の菓子職人に協力いただきました。

また、資金調達にあたり、クラウドファンディングを行いました。両製品ともに、ベトナムを代表するお土産として、観光客やベトナム在住の方に、大変好評です!

国際協力に興味を持ったキッカケ

遠藤:ところで、山田さんが国際協力に興味を持ったキッカケって何ですか?

途上国を中心にバックパッカーで旅をしたのがキッカケです。私は大学院を卒業するまで海外旅行をしたことさえなく、海外で生活することなど考えたこともなかった、日本指向の日本人でした。

卒業旅行でタイとカンボジアの観光地を一人旅したのを機に、海外の新しい世界に興味を持つようになりました。

振り返ると、特にインドでの経験が国際協力のフィールドに踏み出す大きなキッカケだと思います。

田舎の駅のプラットフォームで、子供たちはその日の空腹を凌ぐだけのために、靴さえはかず、ゴミを集めて生計をたてていました。

学校へ通って教育を受けている様子はありませんでした。私は、「誰もが自分らしく生きる世界」を理想として持っています。個性を発揮することは、世界に彩を添え人生を豊かにする原動力であると信じています。

その実現に、ビジネスの観点から、わずかでも貢献できたらと思っています。

遠藤:インドに行こうと思ったのはなぜですか?

どなたかの旅行記を読んでいた際、「地球の首都はインド」という表現があり、それを見てインド行きを決めました。深い理由はありません。直観的に何か感じるものがあったんでしょうね。

ちなみに、「地球の首都インド」にあるヒンズー教の聖地バラナシには、私の名前の入ったサイクルリキシャ―が走っています。バラナシ訪問の際は、ぜひ探してみてください!

山田:遠藤さんは、どのような経緯で青年海外協力隊になったのですか?

ぼくが大学2年生のときに大学と JICA が「大学連携」を結んで、短期ボランティアとして海外にいけるという話が偶然出てきたんですよ。

その話を聞いて「面白そう」って思って応募して、実際に短期ボランティアを経験したことがキッカケ。

もともと「国際協力」というものに関心があった訳ではなく、短期ボランティアを経験してから興味を持ち始めたんです。いまいちパッとしない動機ですけど、なにかに興味を持つキッカケはひとそれぞれですからね(笑)

葛藤や苦労、工夫など

山田:子どもへの指導は一段と難しいと思います。留意していることはありますか?

子どもたちに指導するときに意識していることは、どうすればサッカーを通じて“人として”成長できるかというところ。

みんなサッカーが大好きでプロの選手になりたいと思ってやっているけど、実際にはプロになれるのはほんの一握り。

でもじゃあプロになれなかったからサッカーをやってきた意味がなかった、っていう終わり方にはさせたくないんです。

サッカーを通して“人として”の土台を作ってあげれば、サッカー以外の道の可能性も見えてくる。人の話をしっかり聴く力、聴いて自分で考えて理解する力、理解して実際にやってみる力、そういった力を「サッカー」のトレーニングの中で身につけてもらえるように、ぼく自身も考えながらやっています。

山田:日本とボリビアとで、指導方法の違いはありますか?

ボリビアの指導者たちは子どもたちの「モチベーション」や「やる気」に関して、トレーニング中からかなり言います。というのも子どもたちは指導者が叫んだり大声でいわないと本気でやらない。

日本の子どもたちはそこまでコーチがガミガミいわなくても、ちゃんと真面目にやる。つまり自分でモチベーションを保てるんですよね。

でもボリビアの場合、コーチが選手のモチベーターになっているなと感じます。いわれたから、やる。いわれなかったら、やらない。ここの部分はなんとか改善していきたいですね。

遠藤:山田さんはベトナムでの活動の中で苦労していることはありますか?

ベトナム人の短期間で一気に成果を挙げる集中力に驚かされる一方で、ベトナム人は事前に計画をして業務を進めることが苦手であるように感じます。

前もって計画することが少なく、直前に動き始めてバタバタすることが多いので、予め準備できることに関しては一緒に予定を立て、その都度やるべきことを確認し合いながら、一緒に進めるようにしています。

今後のキャリア

遠藤:山田さんは 2019 年 9 月で協力隊の任期を終えた後のことは考えていますか?

国際組織やグローバル企業、ローカル NGO 等を含めて気にかけてはいますが、具体的にはまだ決めかねています。任期終了後、失業給付を受給できる3 ヶ月の間に、その時に一番心に響いたことをやろうと思います。

極端なことを言うと、自分自身の人生を生きて充実感とともに死ぬことが人生最高の幸せだと思っているので、日々、それに近づける選択をしていきます。

山田:遠藤さんは2020 年 6 月の任期終了後の予定はありますか?

協力隊の任期が終わったら大学院に進んで国際協力に関しての勉強をしたいという思いもありますし、世界のいろんな国を巡ってみたいという思いもあります。

その瞬間で自分がやりたいと思っていることをやれれば一番いいのかなと。自分のやりたいこと、好きなことを思いっきりやりたいです。

おわりに

今回ありがたいことに、山田さんが声をかけてくださってこの対談は実現しました。

サッカーしかやってこなかったぼくにとって、山田さんの活動のマーケティングの話やクラウドファンディングでの資金調達の話、ぼくが行ったことのないインドでのお話はどれもが新鮮で貴重なものでした。

その一方、山田さんもアイスホッケーの指導経験があり、「スポーツの指導」という話題になると、指導するにあたって大切にしていることや心がけていることが似ていたり、共通点も垣間見れて嬉しかったです!

「国際協力」「青年海外協力隊」「スポーツ指導経験」「国際協力サロン」という共通点がたくさんある山田さんとの対談は、正直めちゃくちゃ楽しかったですね(笑)

お互い残りの任期もしっかり楽しみながら活動しましょう。そしてこれからも国際協力サロンで面白いことをやっていきましょう!

有意義で楽しい時間をありがとうございました。

(遠藤)

山田邦永(やまだくにはる)

青年海外協力隊 ベトナム

プロフィール:
1983年生まれ。愛知県出身。東京大学卒業、東京大学大学院修士課程修了(分子生物学)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院修士課程修了(MBA)。元ファイザー勤務、元ジョンソン・エンド・ジョンソン勤務(R&D)。青年海外協力隊としてベトナムのNGO、VIRIで活動中(任期:2017年10月~2019年9月、活動内容:VIETJOベトナムニュース記事VIETJO Lifeコラム参照、応募動機:BBT大学大学院同窓生コラム参照)。

Facebook : https://www.facebook.com/Kuniharu.Yamada

遠藤暁(えんどうさとる)

青年海外協力隊 ボリビア

プロフィール:
1995年5月4日生まれ。神奈川県横浜市出身。福岡大学スポーツ科学部卒業後、青年海外協力隊(2018.6〜2020.6、職種:サッカー)。大学時代に2度のJICA短期ボランティア(2017.2〜2018.3:ボリビア、2018.2〜2018.3:エチオピア)を経験。15年以上サッカーをやってきた中で「スポーツを通したコミュニティ作りや地域活性化」に可能性を感じ、「スポーツ×国際協力」に興味を持つ。現在南米のボリビアで青年海外協力隊サッカー隊員として活動中。

Twitter:https://twitter.com/str_se
ブログ:https://www.satoruendo.com
note:https://note.mu/satoru54

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