【国際協力ゼミvol.02】コミュニティ開発において住民のモチベーション向上に必要なこと

【国際協力ゼミvol.02】コミュニティ開発において住民のモチベーション向上に必要なこと


国際協力ゼミ第2回はケーススタディ
青年海外協力隊によってコミュニティ開発が進められるタンザニアのある村が舞台です。

現在タンザニアで行われている住民グループの支援、編み物教室、バスケット生産などの活動の中で、いかにして住民たちのモチベーションを高めるかが今回のテーマ。押し付けにならず、住民が自発的に活動に取り組める方法や開発援助が目指すゴールについて草の根で活動するボランティアの視点から議論します。

コミュニティ開発とは?

コミュニティ開発は、地域住民が望む生活向上や地域活性化への寄与を目的としています。フィールドワークや住民参加型のワークショップを企画・運営し、地域や住民の状況、ニーズ、課題を把握することが出発点となります。住民とともに、人的資源・地域資源を最大限活用し、地域の開発課題解決のために活動します。

出典:JICAボランティア

村のようす


今回テーマとなるタンザニアの村のようすをまずは整理してみます。

舞台は標高1800mに位置する4つの村。木材や茶畑が主要な産業です。人口は9500人ほどですが、それに対して行政職員が8人しかいません。

単純計算すると、タンザニアのこの地域では職員1人で1200名ほどの住人を見なくてはならず、人員不足が目立ちます

また、交通手段が限られているので全エリアを管轄しきれず、かつ、郡の税収はわずかで国や県など外部からの援助に頼らざる負えない状況となっています。

このような背景から、行政の力だけでは地域開発はむずかしいため、住民の自発的な活動が必要とされています。

そこで、フィールド調査を通じて出会った自発的な住民に着目し、主にマイクロファイナンスを行っている住民グループの支援や編み物教室の開催、村で自生する水草を使ったバスケットづくりのサポート等を始めることにしました。

ただ、それぞれ一定の成果が見込める一方で、財源や販路開拓のむずかしさに悩まされています。

モチベーションを上げるには?


そして、この村で様々な課題を抱えながらも、住民の自発的な活動を促すためにどのようにモチベーションを向上できるかが議題に。

参加者からあがってきたのはインセンティブとしてのお金の重要性。

アフリカの布を使って女性支援を行っていたウガンダの事例では、自分の作ったものが売上として返ってくる事自体が住民のモチベーションとなっていたという意見がありました。支援者自身が直接住民になにかをするのではなく、お金がまわる仕組みをつくることがまず1つです。

また、スーダンでは商習慣として会議に出るとお金を受け取れるという仕組みがあり、その結果会議に出る住民が増えたという例もシェアされました。

これらのお金がインセンティブになるという点に関しては、自分の立場を置き換えてみるとわかりやすいとの意見も。例えば、アルバイトであれば大変だと思っていてもお金が入ることで続けていける、という例ではお金がモチベーションになるということをイメージしやすいでしょう。

ただ、お金だけがインセンティブになると、活動の目的がすり替わってしまうといった問題も考えられます。

そこで、県からの助成金やマイクロファイナンスなどお金が動くタイミングで長期的な視点を計画と同時に身に付けるのも良いのではとの意見もありました。実際、隊員の方が派遣されてからは丁寧に計画を練るようにはなりましたが、それまではただお金をもらうために申請をするというスタンスだったようで、長期的な視点が浸透するにはもう少し時間がかかりそうです。

どのグループをサポートするべきか


現在、助成金は100以上あるグループのなかで7グループが申請しました。しかし、もっと多くの人の助けになりたいと思う隊員さんの葛藤がそこにはありました。

それは「限られた時間とリソースの中ではすべてのグループを見ることはできないため、どのグループをサポートするか」というものでした。きっと国際協力に携わる多くの人が抱える葛藤でしょう。

青年海外協力隊は住民に近いところにいるために出会う人みんなをサポートしたいという思いにかられます。

しかし、2年という任期で活動期間が限られており、次の隊員が送られてくるかどうかも100%とは言い切れません。そのような状況で今あるリソースで援助するグループを選抜すべきか、また選抜するとしてどのように選ぶのがよいかという点が課題です。

参加者からは、モデルケースをつくることの重要性があげられました。開発は一般的に3〜5年、分野によっては10年単位で見ることが必要で、最初はモデルケースを作ってその後徐々に拡大させていくのがいいのではないかとのこと。

モデルケースが作れれば実績として外部からも資金を集めやすくなりますし、住民から見ても身近な場所での成功体験が次のモチベーションを生むキッカケにもなりそうです。

2年という限られた期間では割り切ることも必要で、最初のモデルケースをつくることだけでも十分な成果と言えそうです。

まとめ

今回は実例をもちいたケーススタディということで非常に考えさせられるテーマでした。

住民のモチベーションもお金だけでは持続性がないかもしれませんし、モデルケースづくりに着手したとしても後任の方が同じ理念をもって取り組む確証もありません。

もしかしたら、むずかしく考えるのではなく自分が何をされたら嬉しいかと考えるが1番の近道かもしれません。

まだまだ葛藤は尽きませんが、みなさんならどのようにこの課題を乗り越えますか?ぜひみなさんのご意見もお聞かせください。

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