ビジネスでアフリカを盛り上げたい。青年海外協力隊、大学院の経験からーー原祥子さん

ビジネスでアフリカを盛り上げたい。青年海外協力隊、大学院の経験からーー原祥子さん

「ビジネスでアフリカを盛り上げたい」。そう語るのは、英国サセックス大学院開発研究所所属の原祥子さん。今回は、原さんがそう思うに至ったこれまでの経緯についてお聞きしました。

(聞き手:坂本和樹)

外の世界に憧れた少女時代

田舎に生まれ、小さい頃から家の周りを冒険するのが大好きで、東京や海外という大きな世界に興味を抱いていました。中学生のとき、教科書で「星野道夫」さんというアラスカ写真家の話を読み、「彼のようにいつか世界を見てみたい!」と冒険をしながら世界を伝える仕事をする彼に、強く憧れたことを覚えています。

その後大学にて、ふつふつとした外へ出たい思いは弾けました。「ガンジス川でバタフライ」という本に魅了され、インドへバックパックした後は、バングラデシュやウガンダなど途上国と言われる場所に赴きました。

田舎で比較的所得の低い家で生まれたことから、幼少期から生まれながらの不平等さに違和感を頂いていました。インドのマザーテレサハウスでボランティアをしたときに、人権もないような環境で生きる女性たちを目にし、生まれた場所によって発生する機会の不均等により強い嫌悪感を抱き、途上国の貧困の解消にビジネスを使ってアプローチしたいと決心。まずは日本の社会でビジネスを学びたいと思い、大学卒業後は富士通株式会社に入社しました。


インドのガンジス川でバラフライ

青年海外協力隊でマラウイに

富士通で2年半勤務した後に、国際協力のど真ん中で現場を見たいと思い、青年海外協力隊でマラウイに。コタコタ県のコミュニティ開発局という県庁組織にて社会福祉の普及(識字率向上、トイレモニタリング、生産組合の支援、マイクロファイナンス普及など)を行いました。

また環境に良い炭ビジネスを、計60名の村人と一緒にゼロから立ち上げました。マラウイは世界銀行の分類でも貧困国に当てはまり、飢餓が常に隣合わせの国です。その国で2年活動する中で、村人がビジネスを立ち上げる際の課題や、政府の汚職など苦しい場面に遭遇しました。

「この構造的な問題を解決し、マラウイが発展して、村人が貧困から抜けだすにはどうすればいいんだろう?」という疑問を一度アカデミックの角度から考えたいと思い、英国サセックス大学院開発研究所に進学を決めました。


マラウイで村人と一緒に炭ビジネスをする様子

サセックス大学、JICA、そしてその後

大学院で研究をする際にもっとも感じる葛藤は、現場とアカデミックの国際協力に対する目線の違いです。協力隊のときの現場とはうって変わり、トップダウンの理論をベースにしたアプローチが多い大学院の授業は、戸惑うことも多いです。

原さんは大学院卒業後はJICAの民間セクター開発の部署で勤務予定で、アフリカなどの途上国の中小企業支援や、日本の民間企業の海外進出支援をし、社会問題をビジネスの力で解決する業務を担当します。

ただ、JICAで勤務することが原さんのゴールではありません。協力隊で2年間を過ごしたマラウイの村人のような、生まれながらに理不尽な環境に苦しむ人々を少しでも幸せにするという目標に向けて、これからも日々奮闘していきます。


サセックス大学で開発学のレジェンド、ロバート・チェンバースさんの特別授業

原祥子(はらさちこ)

英国サセックス大学院開発研究所/Univeristy of Sussex, The Institute of Development Studies (IDS)
MA in Globalisation, Business and Development

プロフィール:
大学時代はBOPビジネスを研究し、その後ICT企業で約3年法人営業。「人生は一回しかない!」と本当に好きなことを追い続ける人生覚悟で、青年海外協力隊でアフリカ・マラウイへ。炭ビジネスを立ち上げ、村人の収入向上活動に2年間従事。その後、サセックス大学院IDS(英)で国際開発とビジネスを学ぶ。(ブログ:国際協力×ビジネスブログ 協力隊・英国留学からアフリカを深掘りするサイト, Twitter: @Sacchiko)

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